SDVがひらく未来 ~自動車産業と清掃業界~
SDVとは?
スマートフォンが、OSやソフトウエアをアップデートすることによって機能やセキュリティ性能を上げるように、外部との通信によってソフトウエアを書き換え、走行性能や安全機能などをアップデートできる自動車、それがSDV(Software Defined Vehicle:ソフトウエア定義車両)です。ソフトウエアが自動車の性能を左右する時代が始まっているのです。
自動車産業の次世代を担うSDV
経済産業省が国土交通省と連名で2024年5月20日に公表した「モビリティDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略」。日本の自動車産業の競争力維持のために、SDVの開発にオールジャパンで取り組み、2030年にSDVを1,200万台販売するとの目標を掲げました。これはSDVの世界シェア3割に相当する見通しだそうです。
参考:「モビリティDX戦略」(経済産業省)
世界の自動車業界では電気自動車(EV)や自動運転技術の開発が進んでいますが、自動車産業の次世代を担うであろうSDVも含め、これらの分野で先行しているのが米国と中国です。米国・テスラ、中国・比亜迪(BYD)は、すでにSDVを搭載したEVを販売しています。
日本の自動車メーカーは、トヨタと日産が2025年に、ホンダが2026年にSDV搭載車を投入予定で、一歩出遅れの感があります。そのような状況もあり、経産省はSDVの開発を加速させるべく、メーカー同士の連携を促し、各社が個別に開発しても独自色を出しにくい7分野での共通化を要請しています。7分野は半導体、生成AI、サイバー攻撃対策、高精度3次元地図などで、半導体はすでにトヨタやホンダといった14社が連携を始めているとのことです。
清掃ロボットにSDVを
このように注目を集めているSDVですが、SDVの技術は自動車だけに使われているのではありません。実は、清掃ロボットの分野においてもSDVの技術が利用されているのです。中国・南京市に本拠を構えるYijiahe Technology社。自動運転、環境モデリング、AI、ビッグデータなどの分野で20年以上の経験を持つ、サービスロボティクスの開発者、メーカー、サプライヤーである同社は、2023年3月、屋内用高性能AI清掃ロボット J40をリリース。J40は、OTA(Over The Air:無線通信によるデータの送受信)を活用してソフトウエアをアップデート、導入後も性能を向上させることができるSDVの技術を搭載しているのです。
SDVの考え方によるOTA技術が真価を発揮する清掃現場
清掃現場はそれぞれに千差万別なうえに、清掃ロボット導入後に環境が変わることもあります。店舗などでは、商品ディスプレイの変更のたびに什器備品が移動することもよくあることです。そういった個々の現場にカスタマイズされたソリューションの提供が必要となるのです。清掃ロボットがその状況に対応するための最適解が、OTAでのソフトウエアやデータのアップデート。もしかしたら、清掃現場こそ、SDVの考え方によるOTA技術がその真価を発揮する場なのかもしれません。
清掃現場のニーズに合わせたソリューションの提供
そして、個々の現場にカスタマイズされたソリューションの提供に欠かせないのが、清掃現場を知り尽くしていること。MMIはYijiahe Technology社とタッグを組み、清掃と設備管理の専門家としての知見をもとに、清掃のプロだからこそできる、清掃ロボットによる省人化やコスト削減を含む、現場全体の最適化を進めているのです。
業務用清掃ロボットによる省人化やコスト削減にご関心のある方は、ぜひこちらにご相談ください。