MENU

フロン排出抑制法と業務用冷凍空調機器の点検について

皆様、こんにちは!
本日はフロン排出抑制法と冷凍空調機器の点検について少しお話したいと思います。

フロン排出抑制法とは

フロン排出抑制法の全体像
フロン類の製造から廃棄まで、ライフサイクル全体を包括的な対策を実施するよう、平成 25 年 6 月、フロン回収・破壊法を改正し、平成 27 年 4 月 1 日から本格施行されました。

フロンはフルオロカーボン(フッ素と炭素の化合物)の総称であり、CFC(クロロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)をフロン排出抑制法ではフロン類と呼んでいます。化学的にきわめて安定した性質で扱いやすく、人体に毒性が小さいといった性質を有していることから、エアコンや冷蔵庫などの冷媒用途をはじめ、断熱材等の発泡用途、半導体や精密部品の洗浄剤、エアゾールなど様々な用途に活用されてきました。

しかしながら、オゾン層の破壊、地球温暖化といった地球環境への影響が明らかにされ、より影響の少ないフロン類や他の物質への代替が、可能な分野から進められています。

出典:経済産業省 フロン排出抑制法の概要

オゾン層、地球温暖化への影響と対策

オゾン層 地球温暖化
オゾン層は上空の成層圏にあり、有害な紫外線を吸収して地球上の生物を守っていますが、CFC、HCFC などは、大気中に放出されるとオゾン層まで到達して、オゾン層を破壊してしまいます。「世界気象機関(WMO)/国連環境計画(UNEP)オゾン層破壊の科学アセスメント:2018」によると、南極オゾンホールは今後次第に縮小する見込みで、2060 年代には 1980 年レベルに戻ると予測されていますが、引き続き対策を講じる必要があります。

CFC、HCFC はオゾン層保護対策として生産・消費が規制されていますが、温室効果も大きい物質です。CFC、HCFC の代替として、主に HFC(代替フロン)への転換を進めてきましたが、HFC は、オゾン層を破壊しないものの、二酸化炭素の 100 倍から 10,000 倍以上の大きな温室効果があります。ノンフロン・低 GWP(地球温暖化係数)化や、既にフロン類(CFC, HCFC, HFC)が使われている製品からのフロン類の排出抑制が必要です。そのため、対象施設や製品を定期的に正しく点検する必要があります。

出典:経済産業省 フロン排出抑制法の概要

業務用冷凍空調機器の点検について

簡易点検 定期点検
点検には簡易点検と定期点検があります。
管理者の「判断の基準」では、すべての機器ユーザーに対して、使用するすべての業務用冷凍空調機器について日常的に行う「簡易点検」を3ヶ月に1回以上行うよう定めています。この「簡易点検」は、機器ユーザーが自ら実施することが求められています。また、以下の通り一定規模(7.5kW)以上の機器について、専門業者などの十分な知見を有する者による「定期点検」も求められています。
点検を行う前に、まず自社にある業務用冷凍空調機器について、どのような機器を使用しているか確認する必要があります。

点検を適切に行わない場合やフロンなどを大気中に放出させた場合などは法律違反になってしまい、処罰されるケースもあります。実際のケースを申し上げますと金属スクラップ業者が業務用エアコンを買い取り、重機で潰してフロンを放出させた疑いで逮捕されました。業務用エアコンはフロンを回収する必要があり、専門業者への依頼が必須となりますが、それを無視して自分たちで勝手に放出させた結果、フロン排出抑制法違反で逮捕されてしまいました。

出典:環境省 簡易点検の手引き

最後に

フロン類はライフサイクル全体において包括的な対策をとっていれば、私たちの生活でとても有効的に活用できます。しかし、正しい知識を持って利用できなければ、オゾン層や地球温暖化へ悪影響を及ぼしますし、法律違反となる恐れもあります。そのため、フロン類を使用している施設や製品の点検やチェックはプロにお任せしましょう!

弊社では施設のプロが多数在籍しております。点検に於ける積算も可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。

各種施設の清掃と設備保守

お問い合わせ