建物のライフサイクルマネジメントについて
こんにちは!
本日は弊社、エムエムインターナショナルの社員の観点から建物のライフサイクルマネジメントについてエッセイ形式で記事を配信させていただきます。ぜひ読んでみてくださいね!
建物は生き物である
僭越ながら、我々エムエムインターナショナルの社員の数ある熱き思いの中で、これだけはお伝えさせて頂きたいと思い筆をとった次第である。
建物管理の世界にあまり詳しくない方々はご存じないかもしれないが、我々建物管理のプロと呼ばれる人間の間で昔からよく言われるのが、「建物は生き物である」という言葉である。
「いやいや、何を大げさに・・・・」「また、カッコつけて・・・」と思われた方もいるかも知れないがこれは紛れもない事実である。ここに、そう言われる所以を簡単ではあるが説明させて頂こう。このあとの説明をもとに読者の皆様も利用されたり、所有していたりする建物をあらためて人の身体に照らし合わせてみて頂くと、人と類似していることが非常に多い事に驚き、よりご納得頂けるのではないかと思うので、是非想像を膨らませて頂けたら幸いである。
皆さんは赤ちゃんのきめ細かく透き通るような肌、初々しい笑顔をご存じであろう。建物も竣工した時が人間でいう赤ちゃんの時であり、その日から劣化・汚損が進行しているのだ。
人が誕生してから成長していくのと同じように、建物も竣工(誕生)してから装飾をしたり、備品を整えたり、成長していくのであるが確実に汚損や老朽化は進んでいるのである。
しかも人間より物凄いスピードで、である。
建物の壁や床は人の肌そのもの、電気や水道は心臓から送られてくる血液やリンパ液の営みである。冷暖房や給排気設備は新鮮な空気を取り込み、汚れた空気を外に出し、身体を一定の体温に保つ役割を担う。その他、危険が及んだ時の防火防災設備は人でいうところの免疫力や防衛能力といったものが建物にも備わっているのである。
特に女性の方なら理解しやすいと思うが、日々のスキンケアなどの手入れを怠ったり、無防備に日焼けを放置したりすると年を重ねた時に後悔することになる。また暴飲暴食、運動不足を続けると後々身体への悪影響は体重を増やすだけでなく、深刻なものとなってしまう。建物も人間と同様に日々の清掃や設備のメンテナンスを怠り、建物や設備を酷使し続けることは無謀としか言いようがないのである。
建物は自己回復力がない
更に日一日と建物は汚損し、設備は劣化が進行する過程において、人と建物の一番大きな違いは自己回復力があるか無いかにあると思う。人はある程度なら病気をしたり、汚れたりしても自然治癒やある程度の浄化能力で自己回復することが出来るが、建物はそうはいかない。
日々清掃をしたり設備のメンテナンスをしないと、ついには故障をしたり、取り返しのつかない汚損となり、大掛かりな改修工事や特別清掃、場合によっては床や壁紙の貼り替え、塗装をしなければならない事態に発展する。これは人でいうところの入院や手術の類になってしまうのである。
では、建物は使わなければ新築の美しい輝きが保たれるのかというと、それも違う。皆様も経験したり、聴いたりしたことが一度や二度はあるのではないだろうか。建物は人が出入りせずに、締めっきりにしていると不思議と使用している以上に老朽化が早く進行することを。人が出入りし、使用することで建物も鼓動を脈打ち、息吹を繰り返しているのである。まさしく、人と同じく建物も生きていると言われる所以はここにもあることがお分かり頂けたのではないだろうか。
髪の毛を切る→美容師、病気→お医者さん、ビルのメンテナンス→ビルメンのプロ
皆さんは髪の毛を切り、整えたい時、あるいは健康診断や体の具合の悪い時はどうするだろうか。おそらく大半の方が床屋や美容院、体のことなら病院へ行って専門家を頼るのではないだろうか。自分の身体なら美観や清潔を保ったり、少なからず運動や食事の管理を心がけたりするであろう。
実は建物もその道のプロに清掃や設備管理を任せずに使っていると、先に述べたように取り返しのつかない汚れや重大な故障といった深刻なことが簡単におきてしまうのだ。そこで発生した汚れや故障を回復させるためには多大な時間とコストを強いられる結果となるのである。
そのコストは日々の清掃やメンテナンスに掛かる何倍も大きくなることも稀ではなく、建物の寿命を縮め、最悪の場合建物を利用される方の生命を危険にさらしてしまう可能性さえあるのだ。メンテナンスを怠って建物が倒壊したり、火事などの有事の際に消防設備が正常に機能せず、尊い人命が失われてしまったりするような悲惨なニュースを時々目にする。これは決して他人事ではないのだ。
建物も人間と同様に日々の管理を適切な専門家に任せることで、美観を維持し外観や設備の適切な管理で1日でも長く健康で美しい姿を保てるのである。さらにいうと、自己回復力がなく、法的にも規制のある建物は人以上に専門家に管理して貰うことが不可欠ではないかと感じているのである。
イソップ寓話の「レンガ職人」
余談にはなるが、皆さんはイソップ寓話の「レンガ職人」の話をご存じだろうか。昔、ヨーロッパのある国を旅している者が、重そうにレンガを何度も運んでは積んで、運んでは積んでいる3人の職人を見かけた。その旅人がその3人の職人にふと何をしているか尋ねたところ3人の答えは次の通りだった。
一人目の職人は
「見たら分かるだろ、親方に言われてレンガを積んでいるんだ、きついし、もうやめたいよ」
二人目の職人は
「きつい仕事だけど、家族を養うためだから仕方なくレンガを積んでいるんだよ」
三人目は
「レンガを積んで教会を建てているんだ、その教会で皆がお祈りをして、幸せになるのが楽しみで仕事の大変さは吹き飛ぶよ」
もし読者の皆さんが教会を建てることになったらどの職人に建てて貰いたいと思うか。それは聞くまでもないであろう。
最後に
少々話は横道に逸れたが、エムエムインターナショナルの社員ならば誰もが知っており、自分たちの仕事においても三番目の職人の様に感じているのである。それは毎日唱和するMMIイズムにおいて
【快適空間の創造~小さな感動の積み重ね~】にも表されていると感じる。要するに仕事を通じて、建物という空間をより快適な空間にすることにより、そこを利用する方に小さな感動を日々感じて頂くことを信条としているのである。
我々は建物の美容師、理容師、ジムトレーナー、ケアマネージャー、アドバイザリースタッフだと自負しており、ただの清掃員、設備管理員に留まらず、責任を持って自分の仕事と対峙しているのである。そうした建物ライフサイクルマネジメントのプロの名に恥じぬように常に最新の技術や手法を学び、高度で素早い対応でお客様からお預かりさせて頂いた大切な建物を維持管理することで皆様のお役にたてることを願って止まない集団なのである。
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