ホテルの顔となる客室、外観、パブリックエリア。その清掃品質は、お客様の満足度を大きく左右する重要な要素です。しかし、スタッフや清掃会社によって、その品質にばらつきが生じるケースが少なくありません。
同じ手順で清掃を行っていても、スタッフ一人ひとりの技術や経験によって仕上がりが異なったり、清掃会社によって提供品質への意識に違いがあったりします。
ホテルがイメージする清掃のレベルと、清掃会社が実際に提供するサービスレベルにギャップが生じることも。

また清掃スタッフは基本的にお客様と接することは少なく、外国人のスタッフが多い職種でもあります。外部に依頼している場合、宿泊される方や施設を利用されるお客様への意識が低い場合もあります。
廊下やロビーで出会った際に、ホテルスタッフとして『お客様への対応』ができているでしょうか。

お客様に安心して滞在いただけるよう、ホテル全体で一貫した高品質な清掃サービスの提供、接客レベルが求められているのです。

ホテル業界全体で深刻化する人手不足は、清掃業務にも大きな影響を及ぼしています。

2023年の民間主要企業の賃上げ率は3.60%と高い上げ幅となり、人件費の上昇によるコスト増加と、質の高い清掃スタッフの確保の困難さに拍車がかかっています。これにより、既存スタッフの負担増加や清掃品質の低下リスクが懸念されます。

効率的な人員配置と教育体制の構築が急務となっており、外部リソースの活用も含めた新たな対策が求められています。

厚生労働省の調査による賃上げ率推移（民間主要企業）

ホテル運営において、清掃、設備メンテナンス、害虫対策など、さまざまなサービスを異なる業者に発注することが多いです。しかし、この方法では全体的な管理が困難になり、サービスの質にばらつきが生じる恐れがあります。

複数の業者との連絡調整に時間を取られ、本来のホテル運営業務に支障をきたすケースも少なくありません。さらに、各業者の作業スケジュールの調整や、緊急時の対応にも課題が生じやすく、結果としてコスト増加や顧客満足度の低下につながる可能性があります。

一元化された管理体制の構築が急務となっています。